今この記事を見ている方は「引きこもり」「社会復帰」「きっかけ」などを検索していると思います。引きこもりである状況を変えたい、変える方法を知りたいなど引きこもりから一歩踏み出そうと考えているのでしょう。
本記事では引きこもりから社会復帰へのきっかけや社会復帰の事例、社会復帰するために利用できる支援機関やサービスについて詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてください。
引きこもりから社会復帰へのきっかけとは詳しく解説
引きこもりとは「様々な要因の結果として、就学や就労、交遊などの社会的参加を避けて、原則的に6か月以上、家庭にとどまり続けている状態」をいいます。そのため社会とのつながりや関係性がない状態となります。しかし引きこもりから社会復帰するきっかけがあれば現状から変化することでしょう。下記では社会復帰へのきっかけを内外的な変化とタイミングの視点で解説しています。
内面の変化と外的環境の変化
社会復帰へのきっかけとして内面的な変化と外的な環境の変化があります。
内面的変化とは、「現状を変えたい」「このままでいいのか」という不安や葛藤を表します。焦りや絶望感から一歩踏み出し、心が動き出すまでのプロセスやきっかけを知ることも無理のない回復への道筋といえます。
外的環境の変化とは、周囲の環境が変化することや外部との小さな接触、価値観の共有などを表します。家族との関係が改善したり、相談できる支援機関や安心して過ごせる居場所が見つかることで、少しずつ外の世界とのつながりを取り戻せる場合があります。
引きこもりから社会復帰するタイミングとは?
引きこもりから社会復帰するタイミングは、人によってさまざまです。「いくつになったら」「何か月経ったら」と一律に決められるものではありません。本人の心身状態や生活リズム、周囲の環境なども考慮しなければなりません。
また、周囲の環境の変化により小さな自己受容・自信の芽生えが起きる瞬間があります。そのタイミングでいきなり一般就労や外部との積極的な接触を目指すのではなく、短時間の仕事や就労支援の利用など、自分の状態に合わせた環境と方法を選ぶことも社会復帰への一歩です。
新しい人との出会いや生活リズムの変化など、これまでとは異なる環境に身を置くことが、社会との接点を取り戻すきっかけになることもあります。
たとえば、家族や支援者との会話が少し増えた、外出する機会が出てきた、生活リズムが安定してきたなどの変化は、社会復帰に向けた準備が整ってきたタイミングの一つです。
本人が「少し働いてみたい」「誰かと話してみたい」など、外の世界に関心を持ち始めたタイミングも、一歩を踏み出すきっかけになります。焦って社会復帰を急ぐのではなく、本人のペースに合わせて段階的に進めることが重要です。
引きこもりから社会復帰をしたきっかけ事例3選
ここまでで引きこもりから社会復帰のきっかけやタイミングがわかったことでしょう。次に社会復帰のリアルなきっかけや体験を事例をもとに紹介していきます。
現状の危機感・孤独感
引きこもりの状態が長期化すると、体力の低下、発声、活舌の低下など身体的危機感と収入のない状態が続く生活への危機感、家族からの継続的な支援の負担を考えた危機感などさまざまな問題が現状としてあります。さらに、同年代が働いているのを見た時の孤独感、長期化した引きこもりから社会からの孤立を強く感じることがあります。
その場合、自分の気持ちを話せる相手がほしい、働いている姿を見て自分も何かはじめたいと感じた、同じような経験者と交流してみたいなど「このままではいけない」「誰かと話したい」「人(社会)とのつながりがほしい」という気持ちが社会復帰の大切なきっかけになり得ます。
周りからのアプローチ
周りからのアプローチは「本人を急かして外へ出すのではなく、安心できる関係を少しずつ築いていく」ことがポイントです。
家族との接点はあるが、引きこもりになっている本人が部屋から出ることがなく訪問を重ねても会うことができない事例があります。その場合、「長期的支援」「手紙でのやりとり」「先に家族との関係をつくり家族を通して支援する」など本人に直接関わることが出来なくても社会復帰のきっかけになり得ます。
周りからのアプローチには注意も必要です。自宅訪問の際は家族から本人へ支援者が行くことを伝え拒否がないことの確認が必要です。
専門機関・支援団体との出会い
引きこもりから社会復帰を目指す場合、専門機関や支援団体との出会いは大きな転機になり得ます。
大学卒業後に就職したものの、短期間でリストラに遭い、その後うつ状態となり引きこもりに近い生活を送っていた方がいます。本人は次の一歩を踏み出せずにいましたが、心配した母親が行政機関へ相談したことをきっかけに、引きこもり本人だけではなく家族の支援も行うセンターにつながることができた事例があります。
センターでは、いきなり就職を目指すことはありません。まずは、人と話すことから少しずつ経験を積み、社会体験の機会も提供しました。その後、ハローワークなどから職場体験の機会を紹介され、実際の事業所での体験や期間限定の勤務を経験し最終的に、派遣という形で継続して働くことができました。
今回の3つの事例からわかるように社会復帰のきっかけは本人の意志だけではなく、周りの環境や家族とのつながり、さまざまな支援とのつながりによってうまれます。引きこもりの当事者、家族の方はあせることなく一歩一歩状態を見て進んでいくことが社会復帰への道筋となるでしょう。
社会復帰をスムーズに進めるための4つのステップを紹介
引きこもりから社会復帰を目指す場合、いきなり就職や社会活動を始めるのではなく、自分の状態に合わせて段階的に進めることが大切でしょう。なぜなら無理をしてしまうことで負担が大きくなり、再び外出や人との関わりが難しくなる可能性もあるからです。ここでは、社会復帰をスムーズに進めるための4つのステップを紹介します。
ぜひ参考にしてください。
<ステップ1>生活リズムを整える
まずは、毎日の生活リズムを少しずつ整えることから始めましょう。起床時間や就寝時間を意識し、食事をできるだけ決まった時間にとるなど、無理のない範囲で規則正しい生活を目指します。
また、スタートは「朝起きる」「着替える」「部屋から出る」など、小さな行動でも構いません。できたことを積み重ねることが重要で、次のステップに進むための土台づくりになります。
<ステップ2>外の環境や人との接点を増やす
生活リズムがある程度安定してきたら、少しずつ外との接点を増やしていきましょう。ですが、最初から多くの人と関わる必要はありません。
近所を散歩する、買い物に出かける、家族以外の人と短時間話すなど、自分にとって負担の少ないことから始めてみましょう。また、支援機関の相談窓口や居場所を利用することも、人とのつながりを取り戻す方法の一つです。
<ステップ3>支援を受けながら社会経験を積む
一人で社会復帰を進めることにまだ不安がある場合は、専門機関や支援団体に相談するのも有効でしょう。
相談員と話をしてみる、居場所(サークル)に参加する、職場体験やボランティアなどに挑戦することで、少しずつ社会との関わりを増やすことができます。大切なのは、「できるかどうか」だけで判断せず、自分に合ったペースで継続的に経験を積むことです。
<ステップ4>就労や社会参加につなげる
外出や人との交流に少しずつ慣れてきたら、就労や学校、地域活動など、次の目標を考えていきましょう。
就職だけが社会復帰のゴールではありません。短時間の仕事、職場体験、就労支援サービスの利用、ボランティア参加など、自分の状態に合った方法を見つけて始めることもできます。
社会復帰は、一度でゴールを目指すものではありません。「生活を整える→人とつながる→社会経験を積む→就労や社会参加へ進む」というように、小さなステップを積み重ねることが、無理なく社会とのつながりを取り戻すポイントになります。
引きこもりの人が利用できる社会復帰支援機関とサービス
引きこもりから社会復帰を目指す場合、一人で悩みを抱え込まず、専門機関や支援サービスを利用することが大切です。支援機関によって相談内容や受けられるサービスが異なります。まずは、自分の状況に合った窓口を探してみましょう。
1.地域若者サポートステーション(サポステ)
サポートステーションは、働くことに悩みを抱える若者を対象に、就労に向けた相談や支援を行う機関です。すぐに就職することだけが目標ではなく、相談をしながら自分に合った働き方を考えていくことができます。
引きこもりから、少しずつ就労に向けた準備を進めたい場合に利用を検討する支援機関です。
2.引きこもり地域支援センター
引きこもりに特化した専門の相談窓口です。社会福祉士や精神保健福祉士、公認心理師など複数の支援コーディネーターが、本人や家族からの相談を受け付けています。
さらに相談だけでなく、居場所づくりや当事者会・家族会、ほかの支援機関との連携なども行っており、社会復帰に向けてどこから始めればよいか分からない場合の最初の相談先として利用する機関です。
令和3年4月にすべての都道府県・指定都市に設置されています。
3.ハローワーク
仕事を探すための公的な就労支援機関です。求人の紹介だけでなく、職業相談や就職に向けた支援を受けることもできます。
引きこもりから社会との接点を取り戻し、就職を具体的に考えられる段階になった場合に選択肢として考えます。
また、就労移行支援や就労継続支援事業(A型、B型)なども自分の状態にあっていれば利用するのも良いでしょう。
4.自立相談支援機関(生活困窮者自立支援制度)
生活するうえでの困りごとを幅広く相談できる窓口です。ひきこもりについても相談できることも特徴です。相談者の状況に合わせて必要な支援を一緒に考え、支援プランを作成します。
就労だけでなく、生活面、経済面なども含めて支援を受けられるため、社会復帰に向けた生活全体の立て直しをしたい場合に適しています。
上記のように相談窓口はさまざまです。なにを目的に社会復帰を目指すのかにより利用する機関も異なります。まずはお住まいの引きこもり支援機関を探してみましょう。
失敗しない社会復帰時の対処法と心がけを解説
引きこもりから社会復帰を目指すとき、「早く元の生活に戻らなければ」と焦ってしまうこともあるでしょう。しかし、無理に頑張りすぎると心身への負担が大きくなり、思うように社会復帰が進められない場合もあります。
大切なのは、周囲と比べず、自分の状態やペースに合わせて少しずつ取り組むことです。下記では、社会復帰を進める際に意識したい対処法や心がけを解説します。
他人と比べない
社会復帰を進めるうえで大切なのは、周囲の人や過去の自分と比べすぎないことです。「同年代の人は働いている」「自分も早く仕事をしなければ」と考えると、焦りやプレッシャーを感じてしまうことがあるでしょう。
社会復帰のペースは人それぞれです。外出できるようになること、人と話せるようになること、仕事を始めることなど、目指す段階も異なります。周囲と比較するのではなく、「昨日より少しできたこと」に目を向けることが重要です。
スモールステップの重要性
社会復帰では、最初から大きな目標を設定するのではなく、小さな目標から始める「スモールステップ」が重要です。
たとえば、「就職する」という大きな目標に向かう場合でも、まずは決まった時間に起きる、近所へ買い物に行く、人と短時間話す、支援機関へ相談するなど、無理なくできることから始めましょう。
小さな行動を一つずつ積み重ねることで、自信につながり、次の行動にも取り組みやすくなります。途中でうまくいかない日があっても、それまでの努力が無駄になるわけではありません。自分の状態に合わせて、立ち止まったり戻ったりしながら進めることも大切です。
家族や周囲がとるべき適切な接し方とやってはいけないNG行動
本人の社会復帰を支える家族や周囲の人は、「早く働いたほうがいい」「いつまで家にいるの?」などと急かしてしまいがちです。ですが、本人の気持ちやペースを尊重することが大切です。本人の話を否定せずに聞き、必要なときに相談先や支援機関につながる手助けをしましょう。本人がすぐに行動できない場合でも、無理に外へ連れ出したり、本人の意思を無視して仕事や学校へ行かせたりすることは避けましょう。
また、家族だけで問題を抱え込まないことも重要です。対応に悩んだ場合、引きこもり地域支援センターなどの専門機関に相談し、本人への接し方や今後の支援方法について一緒に考えてもらいましょう。
社会復帰は、本人の努力だけで成り立つものではありません。本人のペースを尊重しながら、周囲が適切な距離で支えることが、無理のない社会復帰につながります。
まとめ|自分のペースで「小さな一歩」からはじめよう
引きこもりからの社会復帰は、「すぐに働くこと」ではなく、心身を休めて生活リズムを整えることから始めます。焦らず、小さなステップで周囲のサポートを借りながら進めることが大切です。また、社会復帰するため一度に大きな変化を起こす必要はありません。本人が安心して過ごせる環境を整えつつ、自分のペースで確実に小さな変化を積み重ねていくことが重要です。


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